離職率の低い事業所

内発的動機

「給料、高ければ高いほどいいでしょう?」
上がることに異論を唱える人はいないでしょう

そう、思っていました。

私が、新年度からの賃金改定額案を策定することになり、当時、新たに導入される介護職員処遇改善加算を賃金に反映することになりました。

そして、登録ヘルパーさんについては、稼働時間が一定以上のヘルパーさんの時給が上がる仕組みを導入しました。

次に、新給与体系説明会。「ヘルパーさんたちは、増額を喜んでくれるかな?」と思いつつ、ヘルパーさんを前にして説明をはじめました。

その場の空気感が予想と違ってきました。
ざわつき、嫌悪の眼差し・・・。

説明会終了時に、「何か不明な点があればご質問お願いします。」と伝えても、重い空気感は変わりませんでした。

その後、なにやら相談していた数名のヘルパーさんが私の元にやってきました。

「あの、金をあげれば私達がもっと働くと思っているんですか?」

その声を聞いた他のヘルパーさんたちも、そこに集まり、次々に皆さんの思いが伝えられました。

「この仕事をお金が目的だけでやってると思っているんですか!」
「バカにしないでください!」
「他に給料のいいところもあります。なぜ、ここで働いているのか分からないんですか!」

その当時、私は、ヘルパーさんの仕事に対する思いに寄り添わず、お金だけで評価しようとしていました。ヘルパーさんの仕事に対する、内なる動機も見もせずに、給料という外的な動機だけで、仕事へのモチベーションを上げるような思考でいました。
多くの職員から、バッシングを浴びた賃金改定でしたが、私が持つ評価の視点、内的動機への考え方等々、多くに気付かされる機会でした。

転職の理由って何ですか?

介護福祉士に対する調査では、以前の福祉・介護・医療分野の職場を辞めた理由の第1位は
「職場の雰囲気や人間関係に問題があった」
※となっています。

※令和2年度社会福祉士就労状況調査(公益財団法人社会福祉振興・試験センター)より

スタッフの仕事に対する大切な思いは、分かり合えていますか?

職場環境が悪いと負の連鎖

もし、あなたがサービスを受ける側だったとしたらどうでしょう。あまりにもよく職員がよく入れ替わり、担当者が次々と替わってしまう事業所を信頼できますか?

逆に、サービスを提供する側の立場になって想像してみてください。現場で経験豊富な職員が辞めてしまうと、代わりに新しい職員を迎えます。その新人職員が様々な経験を積むまで、周りの職員のサポートが必要になります。このサイクルが短いと、一緒に働くチームメンバーの負担が増え、職場の雰囲気や人間関係のバランスが崩れることが予想されるでしょう。

離職率の低い事業所を目指して

では、どのようにしたら職場の離職率を下げることができるのでしょうか。

例えば、中心的なリーダーが存在しない事業所として運営できたとしたら、どうでしょうか?
各々のメンバーが存在目的を拠り所に、自律的に活動します。そして、仕事、家庭、趣味等を含めた個人を大事にした働き方を目指します。
そのようになると、職員ひとりひとりが自分らしくありながら、メンバーと同じ方向を向いて協力しあうことで、職場の雰囲気も良くなります。

時代とともに変化するあるべき組織の姿として、仕事に対する大切な思いを分かり合うことから始めませんか?もし、ご興味がおありでしたらご相談ください。